2019年8月21日水曜日

PNGの実情① **できれば読んでほしい記事**

PNGに来てから、約1カ月が経ちました。

実際に現地に来てから、ちょっとではありますが、この国を自分の目で見てみました。

また、現地に住むJICAスタッフや先輩隊員、PNGの方とお話をさせていただきました。

特に、OISCAのスタッフさんの一人(以下、Lさんとします)にPNGの実情について、深い話を聞かせていただくことができました。

かなり突っ込んだ内容まで聞かせていただきましたが、丁寧に答えてくださって感謝しています。

せっかくいただいた情報ですので、私の考えとあわせてみなさんにシェアしたいと思います。


これから書く内容は、私やLさんを含め、みなさんの主観的な部分が含まれています。

きっと正確でないことも含まれていることでしょう。

そのため、これがPNGという国のすべてとは決して思わず、ひとつの側面という風に捉えていただければと思います。


まず、Lさんについて簡単な情報を。

アロタウという街の出身で、PNGの大学まで進学し、卒業しています。

そして、OISCAに就職し、選ばれた人のみが行くことができる研修を日本で受け、日本語や日本文化を学び、OISCAで稲作に関する先生をしています。

私たちにピジン語も教えてくれましたが、アロタウの公用語は英語であり、ピジン語を話す文化ではないため、OISCAに来てから独学で勉強したみたいです。

すなわち、すんごーーく優秀です。


参考までに。

①PNGの就学率

プライマリースクール(日本の小学校~中学校2年)への進学率は60%

セカンダリースクール(中学校3年~高校3年)への進学率はそこからさらに50%

大学への進学は全体の10%程度であると言われています。

②PNGの言語

どの地域でも政府が定める第一公用語は一応英語。

ですが、就学していない人もいるため、生活言語はピジン語となっている地域もあります。
(ピジン語と言っても、各部族による訛りがあり、さらに細分化されています)

ザックリ分けると、

山より北の半分は旧ドイツ領のため、話すために作られた簡単な言語であるピジン語。

南半分は旧イギリス領のため、生活言語も英語。のようです。

私の任地キウンガは南側に属されるため、英語と伺っております。

が、ピジン語しか話せない人いると思うよー。や、

インドネシアとの国境沿いにあるため、混ざってぐちゃぐちゃになってるよー。とかいろいろ聞きます。


続いて、PNGについてですが、

日本の1.2倍という国土のなかに、800以上の部族が住んでいると言われています。

部族が異なれば、扱う言語や文化、肌の色や服装が異なります。

Lさんいわく、パッと見ただけで、自分と出身が同じかどうかがわかるみたいです。


そのため、この国を語るうえで欠かせないキーワードが、『ワントク(1 talk)』です。

根本にあるのは、800以上も部族がいるため、「同じ言語を操る人同士は家族と同様である。」という考え方です。

それが派生され、友だちや同僚等もワントクに含まれたり、含まれなかったり・・・というような感じらしいです。

だから、例え挨拶であっても、ピジン語で話しかけると、むちゃ喜ばれます。


ちなみに、結婚や友人関係に部族は関係ないみたいです。

ワントクが部族の垣根を越えることもあります。


ではそのワントクがどういう役割を担っているかというと、

簡単にいえば「支え合い」です。

ワントク内で、困っている人がいれば、助ける。

お金に困っている人がいれば、ワントク内で持っている人が援助する。


帰属意識という観点からいえば、とても大切なことですね。

すごく良いシステムに感じます。

今の日本には、良くも悪くも欠けていると言われがちですからね。


でも、それがPNGでは悪い方向に大きな影響を与えているみたいです。

例えば、

働かなくても、ワントクが援助してくれるから、働かない。

何か悪いことをしても、ワントクが助けてくれるから、悪さをしてしまう。

ワントクに依頼されたら、それが悪いことであるとわかっていても断れない。

ワントクとワントクではない人が揉めている場合、理由に関係なくワントク側を支援する。

ワントクの意識が強すぎて、他のワントクといざこざがあったときに、内戦レベルでぶつかることもあるみたいです。
(部族に対する誇りが強く、報復の意識も根強いので、殺し合いになる場合も散見されます。実際にOISCAから首都へ帰る前日に、私たちが車で通ったルートで報復による殺人事件がありました。)


話は変わって、

Lさんにある質問をしてみました。

「どうしたら、この国が良くなると思いますか?」

こう答えられました。

「政府や警察がきちんと仕事をすることだと思います。」


詳しく聞いてみると、

他国からの支援や、オイルパーム・地下資源等で、決してお金が無いというわけではないみたいです。

でも、そのお金が政府内でうやむやになったり、横領したりで、国民に回ってこないみたいです。


同様に、警察も公平にきちんとした働きをしていないみたいです。

お金をもらって、罪を見逃してあげるとか。

逆に、何もしてないのに、言いがかりをつけて、お金を請求するとか。


昨年末、アロタウ隊員が全員緊急首都退避になった、重大事件の引き金も警察官でした。
(警察官が酔っ払い運転で市民を2人ひき殺してしまい、それに抗議した市民と銃撃戦になったと・・・。)

実際にその現場に居合わせた先輩隊員もおり、直接話を聞く機会があったため、なんか本当にすごい国に来ちゃったなーって感じです。


また、ワントクシステムにより、

「悪いことをしても見逃されてしまう場合があります。」と

警察官と地元が一緒だから、犯人を逃がしてあげるとか。

「悪いことをしても罰せられないから、みんな悪いことをしてしまいます。」

Lさんの言葉です。


異なる側面として、

PNGでは、そもそも仕事の絶対数が足りません。

大学を卒業しても、仕事に就けるかわからないみたいです。

ワントクのコネがないと、就職できないなんてこともザラにあるみたいです。

だから、貧しい人がたくさんいます。

仕事を探しに首都に来ても、仕事がありません。

来てしまったはいいが、地元に帰るお金もありません。(国内線、くっそ高いです。片道3万円が相場かな。)

首都では、ワントクがおらず、頼る人もいないので、生活ができません。
(800を超える部族が集結しているため、一触即発です)

盗むしかない。

奪うしかない。

治安が悪化する。

やられたらやり返す。

の繰り返し。

・・・・


こういった、主に強盗を目的としたギャング集団を『ラスカルと呼んでいます。

こいつが、この国の第二のキーワードです。

ちなみに、日本人の間では、ラスカルの被害に遭うことを「ラスカられる」と、固有名詞化してしまうほど、頻出なワードです。


その被害者は、外国人に限った話ではありません。

Lさんはアロタウ出身であり、OISCAはココポの郊外にあるため、PNG人のLさんにとっても夜一人で歩くのは怖いそうです。

実際に、スマートフォンを盗られた経験もあるみたいです。

だから、ポートモレスビーはできれば行きたくないし、歩きたくないんですって。

ブーゲンビル出身のいかにも屈強な男性の先生もそうおっしゃっていました。


以前の記事にもあげましたが、この国では強盗は日常茶飯事です。


他にも、私たちボランティアは、車を運転することが禁止されているため、関係ありませんが、

JICAスタッフや大使館の人に言われて印象的だった話があります。

①赤信号は要注意

信号で停車すると、ドアを勝手に開けて、車内に入ってこようとするみたいです。

押し売りしようとしてくる人もいます。

石を投げてくる人もいます。


②人身事故を起こしても、すぐに駐車するな

日本では、当然のごとく、人命救助が最優先です。

が、

ここPNGでは、異なります。

車を駐車し、救助に向かってしまうと、

車上荒らしに遭い、車ごと盗まれるらしいです。


一応、

いま言ったのは、あくまでPNG人のなかの、たった一部の悪人の話です。

悪い部族なんて存在しません。

根っからの悪人なんていません。

たったの一部です。


常識と高い教養を身に付けているLさんとの会話の最後に、

以下の突っ込んだ質問をしてみました。

「Lさんの父親が殺人を犯してしまったとします。

 そのことをLさんのみが知ってしまったとします。

 Lさんは、警察に通報しますか?」


「・・・できません。」

それが、Lさんの回答です。

そこに、PNGの課題のすべてが詰まっているなーと感じました。


自分の部族に対する帰属意識はとても大切。

それにより、支え合いが生まれているのも事実。

それにより、助け合いが生まれているのも事実。

それにより、生活を営むことができている人がたくさんいるのも事実。


しかし、そのワントクシステムにより、治安が悪くなっているという・・・。

・・・なんという皮肉。


現在の私には、解決策がわかりません。

正解が見えません。


お金ですべて解決するのかな・・・?

おそらく、否。

例え、全員が最低限文化的な生活を営むだけのお金を持ったとしても解決しない気がします。


私はこの国に何を残すことができるのだろうか。

この国とともにどう生きれば良いのだろうか。


そんなことを考えても無駄であることはわかっています。

国家の問題を、たった1カ月滞在しただけのちっぽけなボランティアには、どうすることもできないことだって。


だけど、

確かに危ないことは危ない国だけど、

この国には、優しくて、ツボが浅くて、歌や踊りが大好きで、魅力的な方がいっぱいいます。

日本で、私が街を走っているときに、みなさんは挨拶をしてくれますか?w

ただ走っているだけで、こんなに笑顔で挨拶してくれる国民っていないんじゃないかな?


彼らが何を望んでいるかが、正直よくわからないため、着地点がわかりませんが、

私個人の意見としては、

「この綺麗な海を、家族や友人に見せたい。」

そこが現在のゴールかなと思います。


現時点では、大切な人こそ、この国に来てほしくないです。

危険な目に遭わせたくありません。

何かあったときに責任とれません。

それが本音です。



今回はたった1カ月しか経っていない私が書く記事のため①としています。

今後、任地等で直接見たり、経験したりして、より深い知識を仕入れてから、感じたことをまとめ、私の言葉で②を報告出来たらなーと思います。

そのときに、少しでも良くなっていること、

①をたくさん訂正できることを強く望みます。


注意

キウンガに海はありませんw


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