2019年11月3日日曜日

【ネタバレ】世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論

あなたはいま幸せですか?




シンプルだけどなかなかムズイ問いかけですよね。



私は割りとその場その場を楽しめるタイプの人間なんで、


「幸せです!」


と迷うことなく言ってしまいそうになりますがw




そもそも、


幸せってなに?


何をもって幸せというの?


よくある調査ってどのように行っているの?



と様々なところで疑問が生じます。




タイトルの通り、


本書の舞台であるフィジーは、2011年に幸福度調査で1位になった国です。(2014年の調査でも1位になりました)





その調査とは、いわゆる主観的な調査で、


「あなたは幸せですか?」との質問に対し、


「幸福を感じている人の比率-不幸を感じている人の比率」で順位づけられています。




結果はというと、


平均値が40のところ、フィジーは2倍以上の85で1位。
(ちなみに、日本は23位。調査対象全58カ国)





あれ、ブータンじゃないの?

とか、北欧の国々は?


と思う方もおられるかと思いますが、それはまた別の調査です。



幸福度なんてそもそも推し量れるわけなんてなく、


調査方法や調査対象により変化しますからね。



参考までに載せると、


ブータンが「世界で一番幸せな国」と言われるようになった所以は、2005年の国勢調査で「97%の国民が幸せ」という結果が出たことからです。



この調査は、同じく主観的な調査ですが、


「あなたは今幸せですか?」という質問に対し、

回答項目が「とても幸せ」「幸せ」「あまり幸せではない」の3段階しかありませんでした。


97%という数字は、またはを選んだ人の割合みたいです。

アンケートの回答が真ん中に寄りやすい傾向から信憑性が無いなんて言われているみたいです。



2010年に選択肢を「0のとても不幸」から「10のとても幸福」の11段階に増やして行われた再調査では、

平均値が「6.1」となったみたいです・・・。
(ちなみに2012年に日本でも同様に行った調査では6.6という数値に。)

うん、

ノーコメントw




一方、客観的な調査としては、


幸せを構成すると考えられる要素を指標にして評価されるみたいです。


その指標とは、平均寿命や成人の識字率、就学率や1人あたりのGDPなど。




これらのスコアが良ければ、人は幸せになれるはずだ。


という考えに基づいて行われた、2014年の人間開発報告書では、


1位ノルウェー(5年連続)、2位オーストラリア、3位スイス。

日本は17位で、フィジーは88位という結果になったみたいです。(調査対象国187カ国)





これらの主観的な調査と客観的な調査の結果を受け、

筆者は次のように問いかけます。





いくら寿命が長くても、字が読めても、学校に行けても、お金を稼げても「あなたは幸せですか?」と質問されたら、「YES」とは素直に答えられない。




すなわち、

客観的調査で幸せの構成要素と信じられているものは、

主観的な調査では意味を成さないのではないか?






では主観的な「幸せ」は何から生まれるのでしょうか。。




それはフィジー人の4つの習慣のなかにあると筆者は述べています。


(1)モノもお金も何でも「共有」する習慣


   『共有』・・・幸せは「所有」して掴むのではなく「共有」して掴む


(2)自分にも他人にも「テキトー」な習慣


   『テキトー』・・・テキトーを「適当」にしよう


(3)どんな時も「現在フォーカス」する習慣


   『現在フォーカス』・・・過去と未来のために生きることをやめる


(4)光の速さで「つながり」をつくる習慣


   『つながり』・・・21世紀の「つながり幸福論」を手にしよう




へー。


これだけ見ると、途上国には割りとありそうじゃね?


と思うかもしれません。


が、本書の面白さは、

これらを説明する際に、具体的に述べられるフィジー人のエピソードにあります。




たとえば(1)の共有を例にすると、


フィジー人は「俺の物はみんなの物、お前の物もみんなの物」という、やさしいジャイアンの哲学で生きているみたいです。


私有という概念がなく、

洗濯していたTシャツを、ホストファミリーがいつの間にか着ていたり、

バーで自分が注文したビールを、隣に座っていたフィジー人が勝手に飲んでいたり

するみたいですw


しかし、逆に他の人のビールを勝手に飲んだ場合、

怒られるどころか歓迎され、そこから会話が生まれ、つながりが芽生えるみたいです。



他にも日本人にしてみれば考えられないエピソードの連続です。




だから、

どうしても、いわゆるこういう本って、


「それは途上国だから言えることでしょ」


と思ってしまうかと思います。




読み始めは、こーゆー奴が近くにいたら、普通にイライラするだろうなーって思ってしまいますしw




でも、

さらになるほどなーと感じたところは、



フィジー人の幸せになるための習慣の基礎が、現代の日本の若者に芽生えはじめている。

と表現されているところです。




共有・・・カーシェアリングやシェアハウス


テキトー・・・上司の飲み会を断る


現在フォーカス・・・東日本大震災を経験し、いつ死ぬかわからないという当たり前をリアルに感じ、自分が大切にするものに時間を割り当てる


つながり・・・SNSを利用し、安心感を作り出している






私は30歳を目前にしておりますが、


ゆとり3学年目の世代として、堂々とゆとり生活を過ごさせていただいた若者とさせていただくと、


言われてみればそうかも。


これが、先進国におけるフィジー流の幸福論の実践か。


と思わせてもらえます。




だから、

今を生きる若い子にも読んでほしい!




と思うと同時に、

PNGにも通ずるところがあるなーと感じたので、

大洋州を中心に世界中で活動されているJICAボランティアにも読んでみてほしいなーと思います。






フィジー人の会話内容が、なぜか関西弁で訳されているんですが、

それがなぜかみょうにしっくりはまり、読んでいるだけでも普通におもしろし、

(夢をかなえるゾウのガネーシャに似た喋り口調)



シンプルでとても読みやすく、2時間程度あればサクッと読めます。




さらに言えば、

kindle unlimited 対象作品であるため、該当者は無料で読めます。





興味を持った方はぜひ読んでみてください!





ちなみに、いかにも私が良さを見出しました的に紹介してきましたが、


私もフィジー派遣の同期の紹介で本書を知りましたw


・・・うん。

お前のものもみんなの物!ww





以前の記事で紹介しましたが、夢をかなえるゾウもオススメです。

  

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